精神科医齋藤環先生(筑波大学教授)は、公益社団法人 青少年健康センターが開催するひきこもる心と向き合うには、実践的『ひきこもり対策』講座のチラシで下記のことを言ってます。
私はこれまで、治療と就労を原則として切り離して考えてきました。しかし、最近になって、親御さんが御膳立てをした職場を何気なくご本人に勧めたところ、就労につながったというケースを複数経験しました。このことから、ある程度状態が安定し、家族関係も良好になり、にもかかわらず次のステップに進めないケースに限っては就労に向けて背中を押すことがあっていいのではないかと、考えはじめています。最近では、一般就労にきわめて近い「中間就労」や「ソーシャルファーム」あるいは、公的なものとしては「就労移行支援事業」などがあります。元気になったら自分で探しなさい」という基本方針を転換して、元気になったら「こういう職場はどうだろうか」と勧められる機会が今後も増えればいいなあと考えています。
やはり、齋藤環さん研究が、遅れています。医療と就労を分けて考える。
精神科医師は病気探しを行い、病気を診ている。
人を観ていない、その人の人生を観ていない、ひきこもりの人は何らかの精神疾患を抱える病人とみている。
ひきこもりの人に病気でひきこもっている状態の人も我が国ではいるが、多くの人は社会環境や自分自身が抱える様々な問題からひきこもっている人の方が多い。
もっとも、そのような認識を医者がするのは、病院に来る人は何らかの疾患を抱えた患者と呼ばれる人を多く観ているからだろうが、ひきこもりは状態像であり多くのひきこもりは病人ではない。
今から十年以上も前、厚労省職業能力開発局キャリア形成室は「若者自立塾」を実績がある民間団体に依嘱した。ニートやひきこもりの人が合宿生活をして労働観を醸成し、就労に結びつけて行こうとする取り組みだった。ニートやひきこもり状態の人がすぐに参加できずに、参加者は、少なかったが多くの人は就労に結びついて行き自立に向かった。だが、結果をみずに、民主党政権によって事業仕分けされ、廃止に追い込まれた。
(補足、今でも「集中訓練」として細々と続いている。
NPO法人教育研究所HP、16年9月28日スタッフブログ参照)http://kyoken.org/
遅れている我が国の精神医療は病気に探し、病名づけに終始し、社会環境との関係を考えてないから遅れるのである。齋藤環さんの所属する大学の使命は、そこにあった筈であった筈なのに、今頃何を言っているのだろうか、15年以上研究が遅れている。彼には頑張ってほしい。